10月27日に発売されたVTuberのミライアカリさんの1stメジャーアルバム『未来』
完全生産限定盤特典
絵本「はちみつ村のグルミちゃん」のストーリーを担当しました。
冊子の絵本だけではなく、アカリちゃんによる朗読劇もBlu-rayに収録されています。
アルバムの楽曲の合間には、絵本から抜粋されたボイストラックも収録されています。
なので、実はこの絵本、このアルバムにおいてキーマンな存在…!?
作詞家の私が絵本を…!?
作詞家さんが絵本のストーリーを書くことって、とてもめずらしいことだと思います。
せっかくなので、私が感じた作詞と絵本の共通点、それから、気づいたことについて綴ります。
まず、最初に説明しておきたいこと。
作:高瀬愛虹 絵:樋口このみさんということで
イラストは、樋口このみさんが担当しています!
とっても可愛いんですよ…!
グルミちゃんの後ろにはファスナーがついているのでご注目ください!
なんとな~くのイメージだったものが、こうやって素敵なイラストで目に見える形で表現していただいて本当に嬉しいです。
制作順でいうとお話が先で、イラストが後になります。
何ページにこの文章を、その隣側になる何ページ目には、こんな感じのイラストを…というように私から指定しています。
このくらいのページでストーリーを書いてくださいというのは最初から決まっていました。
そして、ページ数を増やすことは出来るけど、1ページだけ増やすことは出来ない。
増やしたい場合は、4ページ分増えることになるという説明を受けました。
これは、CDのブックレットなどを思い浮かべると分かりやすいと思いますが、ページを増やすには見開き分の紙を一枚追加することになり、さらにその裏面があるので4ページ増えるということです。
専門的な言葉を使うと、無線綴じではなく、中綴じというものになります。
全体のページだけではなく、1ページ分の文字数も多くても何文字程度というのも決まっていました。
なんだか難しそう…と思いましたが、これって作詞に似てない!?と、気づいてからは、この経験を文章に残そうと思い、今日に至るわけです。
どんなところが似ているかというと…
作詞もほとんどが曲先なので、言葉の数も、Aメロ、Bメロ、サビなどの展開も作詞することになる楽曲に合わせていきます。
細かく言えば、サビは盛り上げなくてはいけないですし、例えばAメロは明るいけど、Bメロは暗い感じになったら、歌詞も曲調に合わせないといけません。
いざ、どんな作品にしようと考えているうちに、さらに気づきがありました。
・イラストは、毎回同じようなものにならないようにする!
(同じようなイラストばかりでもつまらないですからね)
・なるべくページごとに場所が変わるようにする!
(歌詞でいうとAメロ、Bメロ、サビで毎回場面を変えるイメージです)
・クライマックスに行くほど、イラストも見ごたえのあるシーンを作る!
(歌詞でいうと大サビ(Dメロ)、ラスサビをしっかり盛り上げるイメージです)
作詞と絵本で異なる点もあります。
歌詞は、例えば赤い屋根のおウチがあって、主人公は白いワンピースを着ているなど、見た目の情報を文章に書かない限り伝わりませんが、絵本の場合はイラストで表現することになります。
目で見れば分かる情報は、書かない方がすっきりと分かりやすい文章になります。
ここまでのことを、書き始める前の段階で気づいたので、
お話のことだけを考えて、その後にイラストは完全におまかせで文章から想像して描いてもらうより、
お話を書く私がイラストのことを想定して作った方が良いものが出来ると感じたので
こちらから指定させてもらう形で原稿を作っていきました。
絵本を書いた経験もなく、何も知らないまま模索しながらになりましたが、きっと今回の経験がいつか役立つ日が来ると思っています。
ストーリーの内容に関しては、ぜひ読んでください!という感じです。
私が書きたいものを自由に書いたのではなく、この絵本を作ることになった目的と向き合い、その目的を叶えるために伝えるべきことは何なのかということを考え、それが詰まったストーリーになっています。
これも、歌う人であったり、タイアップであったり、楽曲の目的に向き合う作詞と一緒です。
ただ、意外な展開でびっくりするストーリーということは、お伝えしておきます!
小説や脚本に比べると、作詞や絵本のストーリーの作り方は、謎な部分が多くて感覚的に作られているようなイメージもひょっとしたら多いかもしれません。
作詞も絵本もアーティスティックで自由度が高めなところも魅力な一面かもしれませんが、理論的に考えながら作った方がより良いものが出来るではないかなと思いました。
すべての創作に言えることだと思いますが、自分で考えることが大切なのではないしょうか。
アルバムに収録されている「抜け駆けマーメイド」も作詞していますので、そちらもよろしくお願いいたします。
そんなわけで、貴重な体験から得たことをこの場にまとめてみました。
作詞も作詞以外のことも、今後も求められたことに親身に取り組んでいきたいです。
それでは、また!