神田ジョンです。
今回は先日発売になった田所あずさちゃんの「イコール」というシングルに収録されている「あずさ2号のテーマ」という曲について書こうと思います。
曲の内容やギミックをわざわざ言葉で全てを細かく伝えるのは野暮だし、ネタの説明を余儀なくされてる芸人さんの様であんまり好きではないのでどんな経緯でこの曲が産まれてどんな気持ちで作ったのか的な事を中心に書こうと思います。
では早速。
クライアント氏からきた司令は、
・あずさ2号(田所あずさバックバンド)のテーマソングを作りたい
・ライブで盛り上がる曲にしたい
・楽器フィーチャーの曲にしたい
・いつもライブしてるあずさ2号のメンバーでレコーディングしたい
恐らくばこの様な感じだった気がします。
かれこれ4年くらいでしょうか、田所あずさちゃんのレコーディングやライブなどのサポートをし始めて。(倒置法)
「その経験、見てきたもの感じてきたもの全部詰めたい(物理的にも)」
そんな風にまずは思いました。
次にライブで盛り上がる曲として田所あずさ史上トップに君臨するべき楽曲にしたいとも思いました。
自分が曲を作るときは基本いつもライブを意識しますがその上で特に大切にしてる事は、
聴いた人がアーティストの事を知らなかろうが好きじゃなかろうが、まずは嫌が応にもうっかりその耳に侵入したメロやサウンドが純粋にカッコいいという事である。
これは万曲共通。ユニバーサルデザイン。
そこを前提に付加価値としてアーティストが好きな人の好きなポイントを考えつつ盛り込んだり盛り込まなかったりする。
あとは勿論アーティスト固有のカラー。ここは当たり前ですね。
そして今回はなんと楽器フィーチャー回。しかもあずさ2号という見知ったプレイヤー指定。
ドラム→強く叩く!とても大っきい音!カッコいい!初歩で覚えるパターン全部入れたい!
ベース→とりあえずビールみたいな気持ちでとりあえずスラップ!派手でカッコいい!
ギター→リフが命!最強のリフ!からのギターソロ!往年のとてもとても長いギターソロ!
BPM速い=速くてカッコいい=最強、の方程式。
こんな感じの中学生ismに満ち満ちた気持ちでした。
更にはプレイヤーの癖も一緒にやってる面子で把握しておりましたのでその癖を加味したアレンジを心掛けました。
とは言えベースは本当にごめんなさいの気持ち。
BPM174で16分音符のスラップって素手でコンビーフの缶詰空けるくらいキツいと思うんだ。
でもプロでやってるミュージシャンって基本的にみんなヤバいものほど燃える癖(へき)があるので陳謝の気持ちながらしめやかにGOしました。友達だし許してくれそうだし。
後は色んな所にこれまでの田所あずさちゃんのアーティスト活動の軌跡がわかる様なネタを仕込みました。
フレーズオマージュを筆頭に編曲技法オマージュなんかも。
色々探してみて下さい。
最後に歌ですね。
これもやっぱり自分から見た田所あずさちゃんの声の魅力を全部入れたかった。
カッコ良かったり可愛かったり、透明感があったりシチュエーションによって色々な魅力がある声です。
そこに追加して新しい魅力も入れたいと思い、入念なスパイ活動によりキャッチした最近裏声を頑張ってるらしいという情報を元にそちらも盛り込みました。
それにより儚さ、ロマンチック指数アップ(神田比)です。
あとはなんといってもこの曲の裏ボス的な存在の数多の掛け声(ガヤ)ですね。
自分が田所あずさちゃんのライブで見てきた印象的な光景は、どえらい熱量で声を出して一体化している会場内の皆さんでした。ソウルを感じました。
そのソウルを引き出し楽曲に加味させん事には何が上質なライブ曲か!という事でお客様にはお好きに声を出して頂く事が可能な箇所を沢山設けさせて頂きました。
そうして出来上がるであろう光景がどんなもんか自分はめちゃくちゃ楽しみにしてます。それを自分もステージから体感出来るってのがまた最高ですなあ。最高。はよみたい。
余談ですが、この曲を作り終えるまで表題曲のイコールがどんな曲か全く知らず初めてイコールを聴いた時に合唱ゾーンがあってびっくりしました。
あずさ2号のテーマにも合唱ゾーンがあるのですが、口裏を合わせたわけでもなく今回のシングル、そしてこのタイミングに同じ手法を入れようと考えたのは偶然の様な必然の様な凄く何かに導かれた様な気持ちになりました。
楽曲のタイプは違えどきっとこの先のスケールアップしていくライブ会場で同じ景色を作りたかったんだろうな〜と。
ワクワクしますね。
そんな感じのまさにキメラの如き楽曲です。
長々と書きましたが大層な使命感の元に自分にしか出来ない楽曲を作ったつもりです。
あとはお好きに聴いたりなんやかんやして頂けたら嬉しいです。
それぞれのやり方で愛でてやって下さい。
ありがとうございました。