とある宣伝打ち合わせをしました。
宣伝打ち合わせには2種類あると思う。
基本的かつ定番な仕掛けをしっかり整えるための打ち合わせ。
TVCM、ラジオ、交通広告、インタビュー記事など。
もう1つはアイディア勝負の打ち合わせ。
何をどうしたら世間に関心を持ってもらえるか?という作戦会議。
両方とも案件への理解は必須だけど、後者は特に必要。その案件がどういうものか、その案件を生み出しているクリエイターはどういう想いで作っているか。どういうお客に支持されているのか、支持されたいのか。取り巻く企業の状況や金銭的な体力、人的な理解などの把握。
例えばハートカンパニーという会社を世間に広めるためにはどうしたら良いか?
という会議を開催する場合。
会社のCMを作ってTVに大量投下しましょう!
・・・という提案は無謀だし意味がないですね。
ハートカンパニーの業務形態はTVCMを投下することで可能性が広がるものではないからです。
YouTubeチャンネルを開設して、所属クリエイターの制作についてのこだわりを伝える映像や音声を投稿しましょう!
・・・これは悪くないかもですね。
ハートカンパニーの業務形態を理解しているが故の提案です。
ただ、これだけだと単なる自己満足動画になるだけの可能性があるので、中身を練りこむ必要があります。
というように、案件への理解がとても大事なのが宣伝のアイディア出し。
そしてこれがとても重要だと思うのですが、若い人の意見はいつでも正しい、という大前提で会議をすることです。
年長者は経験値が豊富ですので、色々な判断を過去の経験則から精度高くすることが出来ます。一方で経験がありすぎるので自分の成功パターン以外の意見は受け入れ難いものです。新しい流行、新しいツールの魅力、新しい考え方。それは若い人しか持っていない感覚です。
40代以上の世代に経験があると思いますが、テレビゲームが流行った頃、大人たちはゲームを否定しがちではありませんでしたか?
こんなに面白いのに!なんで理解してくれないんだ!ゲームで遊ぶとバカになる。くらい言われたことがある人もいるでしょう。ところがどうでしょう。2020年の現代においてゲームは文化として成立しました。当時多くの大人たちがゲームを否定する中、ゲームの持つ可能性に身を投じた人たちが今は大成功しています。
当時ゲームを否定してきた大人たちに対して、それ見たことか!という気持ちになりませんか。
アイディア出しの場で大事なのは、若い人の意見を頭ごなしに否定しないこと。(ただし、誠実に真摯な気持ちで意見を言ってくれた場合に限る。)
若い人の意見は未知のものが多いです。成功するかしないかの確率が不明瞭なものが多い。
年長者はそれを否定せずに、どうやったら成功確率が上がるかのアドバイスを手助けをすべきです。やったことがないものはやってみないと成功するかしないか分からないものです。やってみて失敗すれば、これは失敗するのだ、ということが分かります。
その積み重ねがチームや案件を強くする。これは間違いない。
働き方改革という時代になって、無駄な行動や無駄な労働時間はなるべく発生しないようにする傾向があります。成功するか分からない案件に労働時間を費やすのはもったいない。という発想になりがちかもしれません。
でも、失敗の積み重ねは成功に繋がるので、そのことを理解しながら進むのがチームとしてはとても大事です。
若い人の意見はいつも正しい。
これは真理なので、制作、宣伝、どんな打ち合わせでも心に刻んだ上で臨みたい。
若者の誠実な意見がキチンと受け止められるチームは結果を出しています。
そうでないチームは現状維持は出来ますが、実は「現状維持」は衰退への第一歩なので未来は明るくないです。
そんな僕は、周りの若者たちが「ゲームオブスローンズ」がめちゃくちゃ面白いと言うので、観ています。若者の言うことは正しいと主張しながら、観始めるまで割と時間がかかりました。知らず知らずのうちに敬遠していたのです。反省です。
そんなある日。とあるラジオで「最近のアメリカの若者はもう、スターウォーズでモノを語らない。ゲームオブスローンズで語る。」と言う情報を得ました。
「ダース・ベイダーってさ、、、」「ヨーダのあれはさ、、、」みたいな会話はいつまでも通用すると思っていたのですが、時代は変わったと。
「ジョン・スノウのあれはさ、、、」「ラニスター家ってさ、、」と言う会話に変わっていると。
もう若者は「ダース・ベイダー」ではない。
がーん!
とショックを受けつつも、そうなのか。と冷静に受け止めました。
そして「ゲームオブスローンズ」を観始めたわけです。
超絶に面白いです。
最初は登場人物が次から次へ説明無しに出てくるもんだから、顔も名前も関係性も覚えられず。苦行のようでした。これはなんの修行なのか?と思うくらいには苦行でした。
でもシーズン3くらいからようやく分かってきました。関係性を理解したらもう虜です。NHKの大河ドラマと同じ感覚です。2ヶ月くらいするともう虜になるあの感じ。
と言うことでやっぱり若者の意見は正しかった。「ゲームオブスローンズ」は面白い。
そして別の若者は「ストレンジャーシングス」が驚異的に面白いと主張しています。「ゲームオブスローンズ」を全部見終わったら次は「ストレンジャーシングス」です。
若者に色々なことを教えてもらうのは大変楽しいし、刺激的です。弊社には若者がたくさんチームにいるので楽しいです。
仕事もそうあるべきだと思う次第です。
(今回のフィギュア)
METAL ROBOT魂 <SIDE MS> 劉備ガンダム(リアルタイプver.)
温故知新。