5分ブログです。
昨日、ところざわサクラタウンにて、氷菓の演奏会が実施されました。
アニメ「氷菓」は10年前の作品です。昨日の会場は満員御礼。配信でも多くの方がご覧になりました。小さな演奏会という名目通り、編成は小さめ。小さいということは1つ1つの楽器の音がつぶさに聞き取れるということでもあり、豊かな気分になれるものでした。
演奏会の本番中、10年前のことを色々思い出します。企画に携わった時の気持ち、シナリオ打合せの風景、音楽発注の時のこと、OPやEDの制作をしていた時のこと。当時の関係者、当時のスタッフの皆さんの顔。
長く仕事をしていると○○周年という企画やイベントに携わる機会が増えます。みんな等しく歳を取ります。もう職を離れている方もいます。昔の資料がきちんと残っていない場合もあれば、驚くほどしっかり残っている場合もあります。
当時学生だったんですよ、当時は普通にファンとして観ていました、というスタッフさんも多くいます。彼らにとっては感慨深い気持ちであり、当時から関わっているスタッフにとっては時の流れを感じるわけです。さらに、自分たちがやった仕事が誰かに良い影響を提供できたことを確認できて、幸せな気持ちになります。双方にとって大きな幸福感があります。
アニメーションに限らずですが、公開や放送を終えた作品を味わい直すという行為はとても心地よいものだと思います。
特に音楽のコンサートって強いなと思います。音楽を聴くと当時のことを思い出すからです。音楽には記憶復興の力があります。さらにコンサートとなれば、同じ場所に集まるわけです。その場所に集まっている人たちは見知らぬ人たちであるけれど、その作品を好きということでは同士なわけです。10年とか20年ぶりに集まるくらいだから、よっぽどその作品が好きな人たちなわけです。そういう同士に囲まれながら音楽に身を委ねるというのはとても楽しい。安心感があります。
長く仕事をしていると、○○周年イベントの時の役割が決まってきます。当時の雰囲気を正しく伝える、ということです。ちょっとしたことで雰囲気は決まります。開場BGM、スクリーンに映し出す映像、トークコーナーで映し出す文字のフォントとか、飾り罫のデザインとか。そういう細かいことほど「雰囲気」のカギを握っているわけです。そして、そういう細かい情報は資料に残っていないことがほとんどで、話して伝えて行くしかないことがほとんどです。
「雰囲気」を正しく伝えて、お客様の思い出がそのままきちんと再現されるようにする。当時関わっていたスタッフの重要な仕事です。
(配信アーカイブ)
2月12日まで配信をご覧になることができます。
詳細はこちらにて。
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TVアニメ「氷菓」10周年記念フィルムコンサート~神山高校の小さな音楽会~
https://eplus.jp/sf/detail/3750340002
斎藤 滋 プロフィール
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