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ハートカンパニー社員インタビュー 鳥越 濯

投稿者:インタビュー
投稿日時:2026年9月1日

鳥越 濯【2022年入社・中途】
制作本部

ーー普段、どんなお仕事をしていますか?

私はハートカンパニーで、主にアニメやゲーム作品のコンサートやライブイベントを作っています。
「プロデューサーって、具体的に何をしているんですか?」と聞かれることがあるのですが、これがなかなか一言では説明できません。
企画を考えて版元さんに提案したり、権利まわりの交渉をしたり、予算を組んだり、スケジュールを引いたり。演奏家やスタッフの皆さんと相談しながら演出を考えて、本番ではディレクションもします。
要するに、最初に「こんなコンサートをやりたい!」と言い出してから、実際にステージの幕が上がるまで、だいたいずっといます。
特にハートカンパニーには「Heartbeat Project」という自社の楽団事業があるので、イベントを作るだけではなく、音楽そのものにもかなり深く関わります。

「この作品ならオーケストラがいいのか、吹奏楽がいいのか」
「この曲を生演奏にしたら、ファンはどう感じるだろう」
「このシーンでこの曲が鳴ったら、絶対にグッとくるよね」

そんなことを、わりと真剣に、そして時には延々と考えています。
一つの公演を作るのに数か月。長いものでは1年、2年以上かかることもあります。当然、途中で思い通りにいかないこともありますし、「どうするんだこれ」と頭を抱える日もあります。
それでも、本番で音楽が鳴って、お客様の表情が変わる瞬間を見ると、「ああ、やってよかったな」と思います。
作品を作った人、音楽を作った人、演奏する人、そしてその作品を大切にしている人。
その間に立って、みんなの想いを一つのステージにつなげていく。たぶん、それが私の仕事です。

ーーハートカンパニーに入社した経緯を教えてください。

もともと音楽大学を卒業し、演奏者として活動していました。
当時は、自分がステージに立って音楽を届ける側。でも、ひょんなことから「自分が演奏する」だけではなく、「音楽を世の中へ届ける側」の仕事に興味を持つようになりました。
……と書くと、何かものすごく綺麗な転機があったように見えるのですが、実際はもう少し行き当たりばったりです。

ただ、昔から「音楽に関わる仕事がしたい」という気持ちだけはずっとありました。

そんな中で出会ったのが、ハートカンパニーです。
少人数だからこそ一人ひとりの裁量が大きく、「これをやってみたい」と言ったことを、本当に仕事にできる環境がありました。
入社してからは、企画書を書き、営業に行き、制作をして、現場にも立つ。気づけば国内だけでなく海外公演にも携わるようになり、入社した頃には想像していなかった仕事をたくさん経験しています。

ハートカンパニーは、「決められた仕事をこなす会社」というより、「まだない仕事を、自分たちで作っていく会社」だと思っています。
もちろん、「やりたい」と言ったからには、自分でなんとかしなければならないことも増えます。
でも、自分の「やってみたい」が企画になり、いろいろな人を巻き込み、いつの間にか大きなステージになっている。
そんな経験ができることが、この会社で働き続けている理由のひとつです。

ーー1日のスケジュールを教えてください。

正直、「これが私の一日です」と言えるような決まったスケジュールは、あまりありません。
基本的には、メールやチャットの確認から一日が始まります。版元さんや取引先、演奏家やスタッフ、海外のパートナーなど、いろいろなところから連絡が来るので、まずは「今日は何から手をつけるべきか」を整理するところからスタートします。
その後は、企画書を書いたり、見積書を作ったり、打ち合わせをしたり、権利関係の確認をしたり。演出、音響、照明、映像など各セクションとの調整もあるので、気づいたら一日中打ち合わせをしていた、という日も珍しくありません。
逆に、誰とも話さずひたすら予算書や企画書と向き合っている日もあります。
公演が近づけば、デスクを離れてリハーサルや現場へ。朝から会場に入り、リハーサルをして、そのまま本番を迎え、終演後に撤収。そして帰り道には、もう次の公演のことを考えていたりします。
毎日同じことを繰り返す仕事ではありません。
昨日はExcelとにらめっこしていたのに、今日はオーケストラの前にいる。明日は海外との打ち合わせをしているかもしれない。
そんな振り幅の大きさも、この仕事の面白いところだと思っています。

ーー仕事のやりがいや、印象に残っているエピソードを教えてください。

一番のやりがいは、何か月もかけて作ってきたものが、本番でお客様の感動につながる瞬間を目の前で見られることです。
企画を立ち上げてから本番まで、ずっと順調に進む公演なんて、たぶんありません。
悩んだり、調整したり、時には「本当に間に合うのか」と思ったり。それでも本番を迎えて、音楽が鳴った瞬間に客席の空気が変わったり、自然と拍手が起こったりする。その瞬間は、何度経験しても特別です。

終演後に「この作品を推してきて良かった」と言っていただいたことがあります。
自分たちはコンサートを作っていますが、その先にあるのは、お客様がその作品と一緒に過ごしてきた時間なんだと思います。だからこそ、そんな言葉をもらえると、それまで大変だったことも含めて「やって良かった」と思えます。

海外公演も、とても印象に残っています。
言葉も文化も違う場所で、日本のアニメやその音楽を聴いて涙を流している人がいる。一緒に歌ってくれる人がいる。日本から遠く離れた会場でそんな光景を目の前にすると、「音楽やアニメーションは国境を越える」という言葉が、急に現実のものになります。
もちろん、その裏側では数え切れないくらい細かな調整やトラブルがあります。
それでも終演後、お客様が笑顔で帰っていく姿を見ると、だいたいまた「次はもっと良いものを作りたい」と思っています。


ーー仕事をする上で大変なことや、意識していることを教えてください。

イベント制作は、本当にたくさんの人が関わる仕事です。版元さん、アーティスト、演奏家、制作スタッフ、会場、そしてお客様。それぞれ立場も違えば、考えていることも違います。

なので、仕事をする上で一番意識しているのは、なるべく「自分の都合だけで考えないこと」です。
自分たちがやりたいことはもちろんあります。でも、それが作品にとって本当に良いことなのか、版元さんはどう思うのか、演奏する人に無理はないのか。
そして何より、その作品をずっと好きでいてくれた人が見た時にどう感じるのか。

何かを決める時は、一度いろいろな立場から考えてみるようにしています。
特に作品もののコンサートでは、僕らがゼロから作品を作ったわけではありません。
すでに大切にしている人たちがたくさんいるものをお預かりして、コンサートという形にする仕事です。

だから、「自分たちが格好いいと思うもの」よりも、「この作品だったら、何をやったら喜んでもらえるだろう」ということは、ずっと考えています。

あとは、結構心配性です。
本番は一度始まったらやり直せないので、「これ大丈夫かな」と思ったことは、なるべくそのままにしないようにしています。
確認して、大丈夫だったらそれでいい。何も起きなければ、その確認は結果的に必要なかったのかもしれません。でも、本番で何も起きないためにやっている仕事も、イベント制作にはたくさんあります。

お客様にはそんな裏側を感じることなく、ただ作品と音楽を楽しんで帰ってもらう。
それが一番いい本番だと思っています。

ーープライベート・休日はどのように過ごしていますか?

仕事柄、毎日のように音楽やアニメに触れているので、休日は仕事とは違うことをして過ごすようにしています。
ドライブに出かけたり、写真を撮りに行ったり、買い物も好きです。
特に行く先を決めず、ふらっと出かけることもあります。

……とはいえ、完全に仕事から離れられているかというと、たぶん離れられていません。
気になるライブやコンサートがあれば普通に観に行きますし、客席に座っていても「この演出いいな」とか、「これ、うちの公演でもできないかな」とか、気づけばそんなことを考えています。
街を歩いていて面白い広告を見つけたり、旅行先で何かを体験したりしたことが、突然企画のヒントになることもあります。
こう書くととても仕事人間のようですが、「インプットのために休日も勉強しています」というよりは、好きなことをしていたら、勝手に仕事につながってしまうという方が近いかもしれません。

仕事と趣味の境界線は、かなり曖昧です。

それが良いのか悪いのかは分かりませんが、好きなことの延長線上に今の仕事があるからこそ、ここまで続けてこられたんだと思います。

ーー最後に、求職者の皆様へメッセージをお願いします。

ハートカンパニーは、やりたいことを結構やらせてくれる会社だと思います。
もちろん、言ったからには自分でやらなきゃいけないんですけど。
「こういうコンサートをやってみたい」とか、「この作品でこんなことができたら面白そう」とか。最初はただの思いつきだったものが、企画になって、いろんな人が関わって、最終的に本当にステージになることがあります。
この仕事をしていて思うのは、結局、私たちがやっているのは「繋ぐ仕事」なんだということです。

人と人を繋いで、作品と人を繋いで、音楽と人を繋ぐ。
そのためには、まず自分たちが相手のことをちゃんと知らなければいけないし、作品や音楽のことも知らなければいけない。

私は、愛してもらいたいなら、まず自分たちが愛さなければならないと思っています。
お客様に愛してもらえるコンサートを作りたいなら、まず私たち自身がその作品を好きになること。音楽を好きになること。そして、一緒に作る人たちのことを大切にすること。
それがないと、たぶん良いものは作れません。
もちろん、仕事なので楽しいことばかりではありません。むしろ全然思った通りに進まないことばかりですし、本番直前まで「本当に大丈夫かな」と思うこともあります。

でも、いろんな人の想いが繋がって、本番で音楽が鳴って、お客様が喜んでくれる。
その瞬間を見ると、やっぱりこの仕事は面白いなと思います。

音楽やアニメが好きな人はもちろんですが、それ以上に、何かを好きになれる人、人のために一生懸命になれる人と一緒に仕事がしたいです。
一緒にいろんなものを愛して、いろんな人を繋いで、そしてまだ見たことのないものを作っていけたらと思っています。

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