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ノエビアスタジアム神戸の可動式屋根をじっと見る20分間

投稿者:斎藤滋
投稿日時:2022年11月6日

5分ブログです。

 

昨日は屋根熱想の収録関係でノエビアスタジアム神戸に訪問していました。可動式屋根の機構や、設計、電気系統について色々と教えてもらうことができました。横河システム建築の村岡さんにしっかりとレクチャーしていただきました。貴重な体験をさせていただき、大変感謝しています。横河システム建築万歳と思いながらこのブログを書きます。

 
 

昨日は横浜FM優勝の瞬間でもありました。試合終了後にセレモニーが行われるため、開いていた屋根が閉められることとなりました。屋根が動く。なんたる僥倖。前日の段階では屋根が動くシーンは見ることが出来ないと思うとのことだったのです。しかし生で見ることが出来る機会を得た。これぞ僥倖。

 

ちなみに僥倖(ぎょうこう)というのは思いがけない幸運という意味。昔の武将が言いそうな言葉で響きがカッコイイのでこういう時に使いたい言葉です。中二病心をくすぐる言葉。

 
 

閑話休題。

 

普段は人が居ない状態で屋根の開閉が行われるとのこと。しかし昨日は観客が居る状態で屋根が稼動しました。1枚400トンの屋根が2枚。それが左右で合計4枚。1600トン。その屋根が閉まる様をじっくり見ることが出来ました。20分かけて閉まります。

 

1600トンもの屋根がどうやって作られたのか、どうやって動くのかをしっかり学んだ後でしたので、その実際の稼動を見ると感動はひとしお。多くの人の努力と日々のメンテナンスがあるおかげなのだと、噛みしめながら20分間屋根を見続けたのでした。

 

おそらくあの20分間、横浜FM優勝の余韻に浸る数万人の中で屋根の挙動に感動していたのは僕1名だったのかもしれない。こんなに美味しいイベント(屋根稼動)を目の前にして、この美味しさを理解しているのは自分1名かもしれないと思うと、なんとも言えぬ喜びや恍惚感があるのでした。

 

ノエビアスタジアム神戸の可動式屋根についての詳細はぜひ「ノエビアスタジアム神戸 横河システム建築」でググってみてください。トップに出てきます。屋根の稼動も動画で見ることが出来ます。ドローンを駆使した映像で感動的ですよ。

https://www.yokogawa-yma.jp/works/yma124/

 
 

動く屋根が凄かった、というシンプルな話なんですが、何か学びや考察に繋げたいので、ちょっと書きます。

 
 

屋根が動くことに感動できるのは、その価値を良く分かった状態で見るからです。物事の価値ってのは、それに価値があると理解している人にとってしか価値が無いんだよなぁと思ったわけです。最近歴史の勉強をしていて、お金の成り立ちのことも学びました。お金(特にお札)が成立するのって、その貨幣に価値があると皆で信じるからですね。ニューバランスのスニーカーに興奮するのはニューバランスのスニーカーに価値があると信じている人だけです。靴なんて履ければなんでもいいだろ、と思っている人はニューバランスのスニーカーに興奮しません。

 

価値があると理解している人にとってニューバランスのスニーカーは宝物なわけです。そういう人(顧客)に向けて、きちんと価値を創造して提供して、売るというのが商売ですよね。

 

例えばですが、ノエビアスタジアム神戸の可動式屋根をじっくり見学し、機構についてのレクチャーや館内見学ツアーというのがあって、それがもし1名数千円だったら僕はそのチケットを買う可能性があります。可動式屋根の価値を理解しているからです。

 

去年開催された、河口湖ステラシアターの関係者トークショウ&館内見学はまさにその事例だったかと思います。ふるさと納税の返礼品の一環としての開催でした。

 
 

ある人にとっては無価値でも、ある人にとってはお金では変えられないくらいの価値がある。そういうものがあります。前者の場合、それが例えば5000円でも高いかもしれない。でも後者の場合はそれが5万円でも適切な価値かもしれない。宿や飛行機の金額ってのは変動しますよね。価値を理解している(必要としている)人にとっては高くても購入する意味がある。商品やサービスの需要に応じて価格を変動させる仕組み。ダイナミックプライシングというやつです。

 

これからの商売で特に大事にしていくべきと僕が思っている「VIP戦略」にも通じます。VIPと一般できちんと価格とサービスを分けるという戦略です。ミュージカルや格闘技の座席もそうですね。例えばVIP席は10万以上するけど間近で鑑賞できて、かつ楽屋見学などの色々なサービスがありつつ、後方の一般席は数千円で鑑賞のみで他サービスは付かないという場合があるとする。それに対してVIP席の価格は高すぎる!と思う人も居れば、それくらいの価値がある!全員一律で全席共通金額という方がむしろ不誠実だ!と納得する人も居る。

僕はVIP戦略は経営や運営にとって必要なやり方だと思うし、お客側の立場になった場合にも多いに賛成する考えです。しっかり観たい舞台は高い席で観たい。そうでもない場合は安い席で良い。そう思います。

 
 

価値、価格、サービスのバランスを適切にしていくのが大事だなぁと、ノエビアスタジアム神戸の屋根が動くのを見ながら思っておりました。

 

 

 


 

 

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“ノエビアスタジアム神戸の可動式屋根をじっと見る20分間” への1件のコメント

  1. お山の小人 より:

    斎藤さん、こんばんは。
    神戸にいらしていたのは、屋根熱想のためだったのですね!
    数万人の中で1人、特別な体験をしているという気持ちがまさに「熱想!」ですね。
    屋根の開閉については、テニスなどのスタジアムには備わっているイメージが勝手にあったのですが、改めて考えると本当に開閉するのか定かではなくなってきました…。
    「モノゴトの価値は人それぞれ」というのには深く納得です。
    行列のできるお店が必ず美味しいとは限らず、列に並んでいる時間、接客態度、値段までを考えるとカップラーメンの方がいいのでは?!と思ってしまう可能性だってありますからね。
    全体を俯瞰してみたときに、何にどれくらいのお金や人が関わっていてこの価格設定にしたことを説明する。もしくはエンタメにたまにある「後払い(投げ銭)」制度や、クラウドファンディングもそうですよね。「応援購入」という呼び方は革新的だと思います。

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