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プロデューサーやディレクターは翻訳家と似ている

投稿者:斎藤滋
投稿日時:2022年2月19日

5分ブログです。

 

プロデューサー、ディレクターという仕事は翻訳家の側面がある。

 

と、思います。

 

ここで言う翻訳家は通訳と言っても良いかもしれません。言語を実際に変換させるという本当の意味での翻訳家ではなく。意思と意思の間に立って、相互がスムーズに気持ちを共有出来るために力を発揮する人の意味。

 

例えばアニメーションの歌を作るにあたっての動き。監督の求める音楽は何か?を知る、聞く。それを具現化出来るであろう音楽家に依頼する。音楽家の矜持もあるからそれを知る、聞く。双方が直接会って喋ることもある。それで意思疎通がバッチリ行けば良い。ハッピーである。

 

しかしお互いに創作にいそしむ日々だから、頻繁に気軽に連絡が取れないことも多い。その場合はスタッフ(プロデューサーやディレクター)が間に入って、上手く進行出来るように環境を整える。

 

お互いの育ってきた環境も違う。つまり使う仕事言語が違うのだ。それを翻訳通訳する必要がある。

 

監督は監督視点でのゴールを描く。音楽家は音楽家視点でのゴールを描く。求めるゴールは作品の成功、作品の質の向上、というところで変わらない。でもそこに至る過程で翻訳が正しく機能しないと良い着地をしない。

 

単なる転送ゲーム、伝言ゲームでは上手くいかない。饒舌であり文章上手なクリエイターであれば、そのまま伝言転送するのがむしろ良いかもしれない。そうではない場合は、翻訳家が上手く伝えるフォローをしなければならない。

 
 

「カッコイイ音楽が欲しい」

 

と監督が言ったとする。それをそのまま音楽クリエイターに転送する。

これでは上手くいかない。

カッコイイ音楽というのはどういうものか?というのを掘り下げないといけない。

 

翻訳家はお互いの文化に精通した方が良い。

双方のバックボーンを知った方が良い。そうすることで「カッコイイ」の意味するものがより一層理解出来るようになり、正しく相手に伝えることが出来る確率が上がる。

 

相手の事情を知るのも良い。

なぜか言いにくそうに歯にモノが詰まったような発言をしていたら。何かのクリエイトで行き詰まっているのかもしれない。それを知っておくと、より良い伝達が出来る。気持ちや事情を汲み取る、ということ。

 
 

T・レビット博士という人が言っていた「ドリルを買う人が欲しいのは『穴』である」という格言。映像制作、音楽制作でもこれが言える。「カッコイイ音楽が欲しいと言う人が欲しい○○は何なのか」。この○○を解明出来ると良い音楽が作れる。こういう演出意図だからカッコイイ音楽が欲しい、というようなことを。それを解明する。

 
 
 

翻訳や通訳と似ている気がするのです。

 

I love you.

 

という言葉が「人として愛している、結婚したいくらいだ」という意味なのか、「単に好きだよ」なのかは、双方の文化、双方の関係性やバックボーンや、それまでの歴史や、それまでの会話の流れなどを知らないと正確に翻訳出来ない。

 
 

プロデューサーやディレクターは翻訳家の側面もあると思うのです。

 

相互理解の重要さ

 

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