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距離感のメンテナンス

投稿者:斎藤滋
投稿日時:2022年5月12日

5分ブログです。

 

距離感はメンテナンスが必要なのかもと時々思います。

 

なにかというと、人と会ってない時間が長いとその人との距離感のバランスが分からなくなることってあるなと思うのです。どういうふうに話していたか、どういう距離感で接していたか。時々会ったり食事したりしていた関係性が、そうじゃなくなると距離感って少し曖昧になってきます。

 
 

言うまでも無くコロナ禍における変化のことです。この距離感が分からなくなるってのはかなりやっかいだなと思っています。不安になる確率が高い気がします。あの人は自分のことをどう思ってくれているんだろう。という不安。全くそんなことは感じずにあっけらかんとし続けていられればハッピーなのですが、全員が全員そうじゃないだろうと思います。

 

今までは割と頻繁に会っていたのに、気が付けばそうじゃなくなっている。それゆえ、それまでは気軽に特に用は無くても連絡を取れるマインドだったのに、連絡1つ入れるだけでも「要件」が無いといけないんじゃないかと思ってしまったり。

ちょっと話がしたいだけ、みたいな気持ちの時ってあると思うんですね。家族や恋人だったら「ちょっと声が聞きたいだけだよ」みたいな連絡はそんなに変じゃない。でも仕事仲間や普通の距離感の友人に「ちょっと声が聞きたいだけ」という理由で連絡を入れるのは気が引ける。

 

職場や会合が時々あって、そこに顔を出せば「ちょっと話がしたい」という気持ちは満たされていた。距離感のメンテナンスもできていた。ああ、ここに自分が居る意味があるなという確認ができていた。その場が減ったり無くなったり。というのがコロナ禍なのかなと思うんですね。

 
 

リモート会議やリモート飲み会では情報交換はできますが、距離感のメンテナンスはできないんだと思います。リアルに会って話すのは楽しいですから、その楽しみがガクンと減ってしまって、そしてそれが続いているってのはやっぱりつらいのかもしれない。今までたくさん会っていた仕事仲間や友人たちの近況を知りたいと思いSNSを開くとみんな楽しそうにしているように見えるわけですよね。SNSにはポジティブなことを書く場所というムードがありますから。そうすると、自分がそこにいなくてもみんな楽しそうにやってるんだな、というさみしい気持ちになるのかもしれない。

 
 
 

この数年の変化の中で、距離感のメンテナンスってのは食事や睡眠と同じくらいとても大事なものに違いないと考えるのです。

 
僕は音楽を作ることを生業にしているので、みんなが集まる理由を作りたいと思うと、自分に出来るのはコンサートやイベントを企画するってことなんだなと思うんです。みんながそこに集まる理由を作りたいんですね。みんなの待ち合わせ場所という感じになると良いのかなと。「ちょっと話がしたい」「ちょっと顔が見たい」。その「理由」としてコンサートやイベントが活用されれば良いなと思ってます。同じモノを観るために集まった人たちがこんなに居るって確認が出来るだけでもコンサートやイベントってのは意味があるなって思うんですね。

 
 

音楽の仕事を続けている理由の1つってこれかもな、と最近思うようになりました。

 

 

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