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加藤達也さんとFree!とバンドライブと。

投稿者:斎藤滋
投稿日時:2023年1月8日

5分ブログです。

 

昨日、Free! THE BAND LIVE -Ever Blue-の東京公演が開催されました。劇伴演奏コンサートの理想型の1つではないか、と感じる素晴らしいステージでした。

 
 

劇伴コンサートにも色々あります。オケコンことオーケストラコンサート。これは名前の通りでオーケストラ楽団による演奏会。昨今の劇伴コンサートはこのオケコン形式が多いです。

 

大編成のオーケストラ楽団による演奏の迫力。それを生で体感する。そこが魅力的です。元々オーケストラ仕様で制作された劇伴ならば、ほぼほぼ譜面はそのままに演奏会を実施します。

 

一方で元々はオーケストラ仕様ではない劇伴の場合は、オーケストラで演奏するために譜面を作り直します。つまり元々の音楽からアレンジしているわけです。

 
 
 

多くの作品がその形式を活用しているので、なんとなく劇伴コンサートとはオーケストラコンサートのことである、というイメージが強くなりつつあるかもしれないです。

 

オケコンを多く体感していくうちに、元々オーケストラ仕様ではない劇伴を、オーケストラ楽団による演奏ではなく、元々のあるべき形でお届けするのも素敵なのでは?という考えも出てきます。

 

「元々のあるべき形」は作品ごとに様々です。

 
 
 

さて昨日のFree! THE BAND LIVE -Ever Blue-はどうだったか。これは「元々のあるべき形」を生演奏でお届けするというものでした。Free!ではオケコンの形では何度か公演が実施されていました。オーケストラ仕様に変化したFree!劇伴も素晴らしいものでした。

何度かオケコンを実施していく中で、いつしかとある考えが頭に浮かぶようになります。

 

「オーケストラコンサートではなく元々の作りに近い形で演奏したらどうだろう」

 

「京アニフェス」と呼ばれた2021年ロームシアター京都での公演。その中でそれは実現されました。それは20分強のステージでした。短い時間ながらも鮮烈な印象を残したのです。

 

そこでの確かな手応えを元に、今度は20分強ではなく、まるまる1公演この形で公演を実地してみたら良いかもしれない。そういう意思がスタッフや演奏者やそして加藤達也さんご本人に生まれたのです。

 
 

「元々のあるべき形」を一言で表すために、今回は「バンドライブ」と称することになりました。

 

オーケストラコンサートも、バンドライブも、両方とも公演を実現できた作品というのは恐らく数は多く無いと思います。これは、歴史的な快挙だと思います。作品が多くの人に愛されているから、というのは大前提でありつつも、それだけではこの快挙には至らないものです。

 

ではなぜ至ったのか。

 
 
 

長い前置きとなったのですが、ここからが今日のブログの本題です。

 

加藤達也さんとの歴史は長く、2009年ころから関わりが生まれ、しっかりとした接点が生まれたのは2011年。依頼、音楽プロデューサーとして、時には作品のプロデューサーとして何作品も一緒に仕事をしてきました。先日数えてみたら20作品以上ありました。

 

そういうわけで、良い話しもできれば、耳の痛い話しもできる、そんな間柄になっていったのです。

 
 

何年か前。たぶん5年くらい前だったと記憶していますが、加藤さんから相談されたことがありました。自分の音楽を自分で演奏して披露するコンサートがやってみたいと。以来、僕は僕の立場で。加藤さんは加藤さんの立場で。それぞれ思考を重ねていきました。

 

加藤さんは自身で「TATSUYA KATO SoundTrack Live」という企画を立ち上げました。先日Vol.2が開催されました。こちらは加藤さんが手がけた色々な作品の色々な劇伴を演奏するというもの。作品は多岐に渡ります。

 

一方で僕はというと、別の視点で考えを巡らしていきました。作品に特化したライブをするという視点です。そのためにはどうしたら良いだろう。作品単位の場合、その作品の状況、多くの方々の意思、ファンの皆さんの願い、色々なベクトルが同じ方向に向かないと実現が出来ません。ベクトルが揃うタイミングを作るもしくは見つけるというイメージです。

 

そういう思考の日々の末、ファンの皆さんの応援と多くの方の尽力があり、オーケストラコンサートが実施され、そして今回のバンドライブの実施に至るようになりました。

 
 

加藤さんはお客様の前で表現をしたいと考えている。その意思を数年前に明確に発してくれていなかったら、もしかしたら、オーケストラコンサートも今回のバンドコンサートも実施されなかったかもしれません。

 

願い事は口に出しておくべし。たくさんの人生の先輩から教えてもらってきたことですが、思えば加藤達也さんもそれを実践していたんだなぁと思います。

 
 
 

劇伴コンサートは劇伴作家さんにとってのハレの舞台です。ご自身がステージに登場する場合、しない場合とありますが、どちらの場合も作家さんにとっては特別な時間です。

 

Free!における加藤さんの仕事はもうここで書くのも野暮なくらいそれはそれは素敵なものです。作品のために考えつくし、努力しつくしたことが有り有りと分かる劇伴になっています。

 

そんな加藤さんが、「ライブ」という場でFree!を表現するにはどうしたら?と考えて努力して作り上げたものが今回の「Free! THE BAND LIVE -Ever Blue-」です。

 

以前、「音楽は作品を継続する」とこのブログで書きましたが、今回もそれは感動的に達成されています。「Free! THE BAND LIVE -Ever Blue-」も紛れもなく「Free!」になっていると感じました。

 
 

「Free! THE BAND LIVE -Ever Blue-」は昨日がスタート。

次は1月21日に横浜で。そして最後は2月25日、26日に大阪で。

このブログを投稿している本日現在、大阪はまだ若干数チケットが購入できる状況とのことです。詳細はチケット購入サイトにて。

 

どうぞよろしくお願いします。

 

 

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