5分ブログです。
今当たり前だと思っている文化は、昔は当たり前ではなかった。歴史を勉強していくと不思議な気持ちになる。
例えば日本。鎖国をしている時と開国後では「当たり前」は違う。開国するかしないかの時、おそらく開国したら日本文化が失われてしまうという意見はあったんだろうなと思う。開国後は開国後の新しい日本文化が作られていき、世代が変わるにつれ、「当たり前」は変化していった。2023年の今、鎖国中の日本文化というのは歴史の出来事であり、そういう時代もあったんだなという感覚。開国によって失われた文化は確かにあったと思うのだけど、2023年の今は、それは事実の1つということであって、感情を揺さぶられるという対象ではないと思う。
最近、ハワイの歴史を少し勉強してみた。僕らが今思い浮かべるハワイのイメージとは。特にワイキキのイメージで良いと思うのだけど、アロハシャツ、フラダンス、ウクレレ。言語は英語。そういうものだと思う。
そのイメージがスタートしたのは200年ほど前。ここにまずは驚く。古の文化が継承されてきているイメージだったけど、たったの200年でしかない。
リゾート地としてのハワイは20世紀初頭から。ワイキキ最初のホテル開業は1901年。わずか100年ほど前。ウクレレは19世紀末にポルトガルから持ち込まれた楽器が原型。僕らが思い浮かべるウクレレとスチールギター的なハワイアンミュージックは、楽園のイメージ演出とレコード産業のために生み出されたもの。アロハシャツは1930年代に生まれた。今イメージするハワイ像はここ100年で形成されたもの。これは想像でしかないけれど、鎖国中と開国後で日本の文化が大きく変わったのと似ているのかもしれない。
文化を守るというのは大事なのだけど、今守ろうとしてる文化も歴史を辿ると、変化を重ねた結果のものだったりする。大元の大元を守るということであれば、今目の前にある文化ではなく、遡っていかねばならない。でも遡ると今の目の前にある文化とは違うものになる。
ハワイの話に戻る。フラダンス。これにも歴史があって、古典的なものと、ハリウッド・フラと呼ばれる近年生み出されたものと。後者はセロハン製のスカートを着用して踊るもの。そして後者のそれは自分たちのフラだとは思ってないハワイの方もいるとのこと。本来のフラをゆがませていると。商業的に作られたフラということで伝統的なものでは無いということなのだと思う。
しかしこれも歴史の興味深いところで、商業的に作られたものだとしても時間が経過して、世代が変わっていくにつれ、それはそれで文化となって根付く。ハリウッド・フラもフラの歴史には欠かせないものだという意見もある様子。答えは1つでは無くなってくる。
色々な国の歴史を勉強したり、コテンラジオをずっと聞いていると、この歴史観というのは良く分かるようになるもの。
常に変化する。時間の経過と世代の移り変わりにより「当たり前」は変わっていく。言葉もそう。ら抜き言葉がうんぬん、というのもある。言葉の歴史も興味深くて、、例えば「可愛い」というのは大昔の日本では、相手の不幸に同情する気持ちの表現として使われていた(「かわいそう」にその名残があるように思う)。しかし今は、愛おしい気持ちの表現になっている。そしてそれを僕らは今の「当たり前」として使っている。そう考えると、言葉の変化は止めようがないということが分かる。
会社もそう。任天堂の祖業はトランプや花札。ローソンの祖業は街の牛乳屋さん。状況に対応し続けて、変化を繰り返して今がある。
歴史を勉強していくと、変化は必ず発生する、ということがわかる。それまでの変遷を知るというこが重要なんだろうと思う。
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