とある作品のとある歌たちを作っています。発表まではもう少し時間がかかると思います。
とても素敵な歌が録音できました。録音しながら感動していました。
良い歌とは何だろうと思いながら作っています。
歌が上手いと良い歌なのだろうか。歌詞が良いと良いのか。メロディか。編曲か。
正解は無いのだと思います。
良い音楽はなんだろうと思います。
「響け!ユーフォニアム」の1期で、香織先輩と麗奈のどちらがトランペットソロを吹くべきかという話がありました。圧倒的に上手かった麗奈が吹くことになったのです。でも香織先輩が吹いた方がもしかしたら良い音楽になったのかもしれない。
良い音楽というのは、聴く人にとって良い音楽なら良い音楽なのだろうと思います。禅問答みたいな話ですが。
香織先輩の歩んできた歴史や感情を知った人は、きっと香織先輩がソロを担当した音楽の方が素晴らしいと思えたはずです。優子がそうだったように。
綾戸智恵さんがラジオでおっしゃっていた言葉があります。とても好きな言葉です。
音楽はイントロが命。
音楽は因果応報。
それまでの生活、前にあったこと、前に話したこと、コンサートだったら直前のMC。その歌が歌われる直前までに起こった全ての事象がイントロなのだと。
ベテランの歌手が歌う時、その人の生きてきた人生も感じながら歌を聴く。
アニメの最終回付近で流れる挿入歌を聴く時、第1話からの軌跡を感じながら聴く。
映画のエンドロールで歌が流れる時。その映画のことを思い出しながら聴く。
歩んできた道のりや、その人が周囲の人たちとどう接してきたか。そういう全ての要素がイントロ。
イントロが素晴らしいと音楽は素晴らしい。イントロで泣けてしまう。それはその人のイントロが素晴らしいドラマを内包しているから泣けるわけです。
今作っている歌たちは最高級のイントロを持ってます。これは参ってしまう。ドラマにあふれているイントロ。
歌詞の素晴らしさ。歌詞は新しいイントロを生み出します。Aメロを歌い終わったら、それはBメロにとってのイントロと化しているわけです。
歌詞は口から発せられた瞬間、次のフレーズにとってのイントロになっていくのです。そして1曲歌い終わったら、その歌そのものが、その歌手にとっての新しいイントロになっているのです。
歌は映画です。3分とか5分の時間で、2時間の映画に匹敵する物語を表現してしまいます。映画のエンドロールで流れる歌。その映画の全てを内包できる。
素晴らしい時間だと思います。
特に筋道立てずに書いているので話があっちこっちに飛んでいます。今日はそんな感じで良いかなと思っています。
歌を録音しながら感動できるというのは、頻繁には得られない感情なのです。それが得られてとても嬉しい気持ちで書いています。
完成が楽しみです。作っている自分自身が一番この歌たちのファンです。他のファンの皆さんよりも一番最初に聴ける喜びに震えながら作ってます。
(本日のフィギュア)
コトブキヤ KOTOBUKIYA
ARTFX+バットマン HUSH
力強く。