5分ブログです。
相手に何かをお勧めする時の話です。相手が欲しいものが分からない状態からお勧めしていくのはどうしたら良いか。
ここでは例え話にします。
服屋さんとしましょう。服屋は自分たちが売ることが出来る服をもちろん把握している。在庫の量も分かっている。取り寄せられる服の種類も理解している。強みも分かっていれば、弱みも分かっている。
お客さんには当然服を買って欲しいし、なんならリピーターになって欲しい。
お客さんがお店にやってくる。最近は放置されたいお客さんも多いと思いますが、ここでは服屋さんが積極的に話しかけてくる前提です。お客さんのたたずまいや雰囲気を観察してそのお客さんが何を求めているかをまずは分析しますね。そして会話する。「どんな服をお探しですか」あたりから行くのか。「今日は良い天気ですね」くらいの遠くから行くのか。それもお客さんのタイプによりけりです。
お客さんが複数人の時もあります。仲良し4人組みたいな感じ。その時は誰から話しかけていけば良いのか。その会話の組み立ててで買っていただけるかどうかが決まることは多いと思います。
いわゆるカジュアルな服を得意としている服屋なのに、着物が欲しいと言われたりもするかもしれない。その時に「着物は扱ってません」と答えるか。それとも何とかして知恵を働かせて「ご用意できますよ」と答えるのか。
どうしても売りたい服がある場合も。売りたいけど欲しがってくれるか。売りたい服の良い点をたくさん考える。そして伝える。完璧な服というのは無いのでメリットもあればデメリットもある。例えばTシャツは夏には良いけど冬には寒くて合わない。みたいな話です。そういう場合、そのデメリットもお客さんに伝えるべきか。些細なデメリットだったらわざわざ言わなくて良いかも。後々「聞いてない」とクレームが来るレベルだったら事前に伝えておいた方が良い。伝えるべきか伝えないべきか。境目の見極めは大事です。全部を全部伝えることがお客さんが望むことではない場合もありますよね。「それは伝えないでくれて良かったんじゃない?」みたいなこと。
例えば僕がアロハシャツを買いに行くお客の立場としますよね。僕はアロハシャツが大好き。メリットもデメリットももうかなり理解している。アロハシャツを買いに行くときにもアロハシャツを着て行っちゃう。そんな僕に店員さんが「アロハシャツは素敵ですが、柄が派手なので着る場面を選んじゃいますよね」とアロハシャツのデメリットを説明してくるとしましょう。親切心で言ってくれていたとしても、僕としては「それはここでは言わないで良いよ」と思うし、僕の「望み」は「楽しくアロハシャツをショッピングすること」なわけです。だから、そのデメリットは口にしないで欲しかったよなぁと思ったりする。経験値のある店員さんならそれは僕がお店に入ってきた時点で理解すると思うのです。
これが僕がアロハシャツのことを何も知らないお客さんだという前提だと、そのデメリットを教えてくれることで「なるほど、そうなんですね。勉強になります。」となり、店員さんに感謝する。
メリットを伝えるのは簡単。どんどん言えばいい。デメリットはどこまで伝えるか。具合と場合による。お客さんの「望み」による。その見極めは経験値によるところが大きいです。打席にどれだけ立ってきたかの経験値。
服屋の結論。
■自分の店の特徴を理解しておく。
■用意できる服を把握しておく。
■すぐに用意出来ない服でも、後日用意できるかもしれない服も把握しておく。
■お客さんを観察する。
■お客さんと会話する。
■メリットは余すこと無く伝える。
■デメリットを伝えるラインはお客さんの「望み」がどこにあるかで見極める。
■それまでにたくさんの打席に立っておく。若手だったら接客の練習をたくさんしておく。
■お客さんにまたこのお店に来ようと思っていただくようにお見送りする。
そんなところでしょうか。
何かをプレゼンするときに上記の要素を満たしておくと自信を持って臨めると思うのです。
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“プレゼンの話を服屋に例えてみる” への2件のフィードバック
斎藤さん、おはようございます。
プレゼンを服屋に例えるのはあまりなかったので新鮮に拝読しました。
■すぐに用意出来ない服でも、後日用意できるかもしれない服も把握しておく。
■お客さんを観察する。
■お客さんと会話する。
■メリットは余すこと無く伝える。
■デメリットを伝えるラインはお客さんの「望み」がどこにあるかで見極める。
この点が僕の中でも重要だなと思いました。人対人の場合は、武器は小出しにしつつ相手のニーズを最大限にするのが一番汲み取る工夫だと思っています。
買うということにおいては、相手の満足感とお財布に訴える必要がありますから、最終的には「またここで満足のいく買い物をしたい」なんなら、自分を指名してもらいたいと思ってもらうことがベストなので、最後の
■お客さんにまたこのお店に来ようと思っていただくようにお見送りする。
も実は重要だと思います。サービス業においては特に「接客」がお店の印象を左右します。飲食店においても味より人の印象を覚える場合も多くあります。
プレゼンのやり方には個性が出ますが、個人的にはプレゼンは紙芝居型を意識しており、プレゼン資料は画像や見出しなど最小限にして、いかに自分の言葉で興味を引くかが重要かなと思います。これはジョブズ氏のプレゼンを見ていて感じたことです。プレゼンも実はエンタメでは?と思っています。
昔服屋で働いていました(´∀`∩
このブログで懐かしい記憶を思い出しました。
お客さんの服装はもちろんですが、目線や仕草、立ち位置、歩く速度等、諸々を検討してどういう方か予測して、自分の立ち位置や振る舞いや話題を瞬時に考えていくという、お客だった時の立場では考えられないほどなんだか大変でした。
お客さんに合わせて自分の性格キャラも変えていく、俳優みたいな仕事。
SALEの呼び込みで声が枯れてる正月明けはハスキーボイスのかっこいいお姉さんキャラになりがちでしたが(´∀`)
当時の店長が人の心を読む事にとても研究熱心で、社会での常識をも教えてくれる、本当に尊敬できる人物でした。
とても回り道をして最後には売上に繋げるって、服屋だけじゃなくて他の職業でも同じですね。
当時は自分も若くて、あの仕事があったから接客業に関してはどこでもいい感じに評価される人生になりました。
人間関係にももちろん対応できる技なんですが、やっぱプライベートは気を抜きたいのでそこそこマイペースです。
ただ、相手の思惑が判るあまり、そんじょそこらのプレゼンでは響かくなり、感動する機会が減ったのが勿体ない、シラっとした人生にもなってしまいました。